リズと青い鳥

2018年/山田尚子監督作品/松竹
原作は出版された直後に読んだきりなのでディテールをよく覚えていなかったりするんだけど、物語の大筋というかテーマ的な部分に関しては強い印象が残っていた。その第一印象と、ほぼ変わらない映画だったように思う。
しかしまあ隅々まで繊細につぐ繊細さ、なるほどキャラクターデザインも変えざるを得ないわけだなあと納得した次第。
絵本パートの水彩画的な美しさもさりながら(リズと少女が十二〜三頭身くらいになってるのはわざとなんでしょうね、けれどすごく自然に動いていた)、それ以上に学校の、校庭、教室、渡り廊下、階段にいたるまで美しく描かれているのに圧倒された。それと、山田監督特有の「足の演技」が今作も大量に出てくるのだけれども、それぞれがすごく意味を持っていて、演出手法として円熟味すら感じさせた。
映画館という密閉空間でしっかり集中して見るにふさわしい内容だったので、家のテレビで見るとまたちがった印象になるんだろうなあ。しかし、本編が始まるまでの予告編の多さ&長さにはいいかげんイライラしたぞ。観に行こうと思わされた作品がなにひとつなかったし。。。アレはなんとかならんもんか。