ペンギン・ハイウェイ

2018年/石田裕康監督
原作は単純なように見えて結構複雑なので、時間の限られる1本の映画として破綻なくまとまるかどうか。そのあたりが全くの杞憂に終わったのは、さすがは上田さん脚本。(終盤、お姉さんがいなくなってからのとあるシーンでちょっと引っかかったところはあったけど。わざわざ「あのカット」を入れなくてもよかったのに)もっとも、わたくし原作を読んで久しいので、細部など忘れているところも多く、これはもう一度読み直さなきゃならないな。
ときどき登場人物の表情とか、え、別人? というようなカットもあった気がするが(別に作画厨ではないつもりなんだけど)、風景描写などビジュアル面でも満足度は高い。
なんちゅーか、正統派ジュブナイルをしっかりと描ききっているなあ、というのが第一印象。何度か見返すときっとまた別の感想も出てくるのだろうけど。ペンギンのメタモルフォーゼしかり、「海」の表現しかり、原作を読んで見たかったシーンをきちんと、それもアニメーションならではの手法で映像にしていただいて、ありがたや…と思わず手を合わせそうになる。できれば映画館でもう一度見たいけど、ちょっと身辺がドタバタしているので、次はブルーレイになるのかなあ。そうだ、サントラも買わなきゃ。