年に一度の自分へのご褒美

 という意味で、毎年この季節に、普段は高くて手が出ない豪華本とかCDのボックスセットとか、そういう値の張るものをひとつだけ、買っていた。
 今年はどうもそういう気になれない。なんでかな? と考えて、すぐに理由がわかった。
 このところ、「欲しい」と思ったものはすぐにその場で買っていたのだ。ぜんぜん我慢してない。そのくせ、未読の本、未聴のCDがたまる一方である。だめだなあ。来年こそは、禁欲的な生活を送りたいものだ。
 …と思いつつ、そんな誓いもすぐに反故にされることがもう目に見えている。やれやれ、意志が弱いというか刹那的な人生観というか。
 しかし一方で、「一切を持たない」修行僧みたいな人に憧れる気持ちは、年々高まるばかりでもある。自分の中の、このアンバランスさは、いつかどうにかなるものなんだろうか。