Ride,Your Wave

2019年東宝湯浅政明監督作品

いやあびっくりした。これほどまでに少女マンガそのままをやるとは。プチフラワーあたりの人気連載作を、売り出し中の若手アイドルで映画化するパターンのやつ!実際、後半から終盤のファンタジー部分をうまくやれば、そのまんま実写映画になると思ったし、なんなら外国映画でもいいんじゃないか(パンフで監督自身がハリウッドの人気作にも触れていたし)。

今をときめく実力派の脚本(吉田玲子さん)ということもあり、ストーリーの安定感はさすが。わずか一時間半ほどの上映時間だが、もっと長く重厚な、ドラマティックな時間を過ごした感じがした。

水の描写はもちろん、溶き卵やドリップコーヒーなど液状のものの描きかたがひたすら凄い。そしてその対比としての火。物語もさりながら、これらのディテールをじっくり観るだけでも価値のある作品だと思う。

 

それにしても、、、そこそこ広いハコが用意されていたにもかかわらず、観客はほんの10人程度だったのが悲しい。封切り週の土・日がこの有様だと、すぐに打ち切られてしまうんだろうなあ…大スクリーンで観られたことが本当にラッキーだった。