中内功氏の時代が終わった

おそらく「時代に対応できなかった経営者」との評で妥結するのだろうが、最後の最後まで中内氏は経営者だったのではなく、人望のある単なるおっさんだったのではないかと思わずにはいられない。自分の会社をまるで我が子のように可愛がる創業者ってのは、何だか子離れできない親のようであるという点で、確かに中内氏は凡人だったのかと思う。

 「我が子のように」というフレーズにぐっと来る。<会社に人格を見いだす>といえば、バブル以前の創業者=社長って、誰もがそんなメンタリティの持ち主ばかりだったような気がする(極小同族会社とかだったら、今だにそうかも)けれど、確かに今の時代の経営者のありかたではないのだろうな。
 政府がなんとかしなくちゃならないくらいまでに「我が子」が大きく成長してしまったのが、ひょっとして、中内さんの最大の誤算だったのかもしれない。ま、そこそこの成功で長続きさせるか、どかんと大花火を打ち上げて短命に終わるかと言われれば、やっぱでかい花火を爆発させたくなるのが人間ってものなんだろうねえ。