某ブログサーヴィス会社のブックスコンテスト

デキレース、つーハナシがあちこちのブログから出ていて、まあ全くの部外者である私が見てても「なんだ、最初から決まってるんじゃん」などと思っていたので(読者賞が急遽新設された頃にわかってしまった)、こういう批判の声にもさほどびっくりしていないのだが、はたしてこのコンテスト第二回はあるのだろうか。
 
で、ブログに限らず、ネット上のコンテンツの書籍化についてはまだまだノウハウの蓄積途上といった感がある。今やあのTrainManですら、そもそもの最初から出版を狙っていた企画だった、という見方まで出てくるんだし。出版とネットの間には、まだまだ深い溝があって、皆が思っている以上にその溝は深いのではないかと思う。
 
あまりにもよくできたストーリーは、どれほど事実であろうとも「できすぎてる」が故に、フィクション/ネタと受け止められかねない。「事実は小説より奇なり」ではなく「奇な事実は小説なり」になってしまうのだ。「事実」不遇の時代というか、劇場社会の完成型は一億総ネタ化なのだ、というか。
 
ハナシがあっちこっちに飛ぶが、というかもともと自分のメモがわりに書いているだけなんで別に断る必要もないのだが(笑)、どうもわからないのは、どうしてここまでよってたかって「ブログ」を盛り上げようとしなければならないんだろう。自分もブログをひとつ持ってるから「ブームに乗っかってる」ヒトの一人なんだけど、しかしたとえば自分を「ブロガー」と思ったことは一度もない。恥ずかしいって。
や、自分のサイトも某社の「おすすめ」みたいなコーナーに掲載されたことはありますよ。ありますけれどね、その推薦文見て真っ先に思ったのは「全然中身読んでないよな中の人」…これ、少なくとも本人にはよくわかるもんです。つまり、それだけいーかげんなものだってこと。ソコからのアクセスは今でもちょこちょこあるけれど、読者が定着しているかどうかはよくわからない。
少なくとも私は、顔が思い浮かぶ少数の知人友人と、サイトを作ってから縁を得たもっとごく少数の方たち向けに書いているつもりだ。「一日何百人もの見知らぬななしさん」が喜ぶようなサイトではないし、あまり無関係な来訪はかえって迷惑でもある。
 
ウェブログというシステムは、私にとっては「更新が楽な便利なツール」であってそれ以上のものはなにもない。なんでただのツールにこれほど肩入れする? 同様の違和感は、実は2003年の秋の時点で(ブログがここまで流行る以前だ)とあるIT系企業の方からも聞いたことがある。
要するに、ブログがどうあっても「ビジネス」になってくれないと困る人たちが大勢いる、としか考えられない。で、そう言う人たちは「ビジネス」でしかブログを見ていないから、その反対側にいる人たちの反発を買うのは必至である。つまり、多くのブログの書き手は本業の合間の「息抜き」でやってる。所詮趣味である。そうして、趣味の世界に「ビジネスの論理」が見え隠れすると、たいていいい気はしないはずだ。
…上記ブックスコンテストの「失敗」は、結局のところ、そういうことだろう。ノミネートされた方々はもちろんのこと(なにせ自費で審査会場まで行かされたというのだから可哀想すぎる)、ただの通りすがりである私にすら「裏事情」を邪推されてしまうのは、やり口が<しろーともいいところ>としかいいようがない。つまり、ビジネスがヘタ、なのである。
 
ともあれ私は、上記ブックスコンテストはもちろん、輝く日本ブログ大将他の「ブログブログ然」したイヴェントとは、常に距離を置いている。祭りはそっちで勝手にやっとくれ、だ。ただ、ブームが去って(意外に早いかもね)サーヴィス会社が「もうサーヴィスしません」となったら少し困るかもしれない。今のうちに、ホスティング型ではなくインストール型のウェブログにも慣れておくほうがいいのかな。