岩城宏之さん

指揮者の岩城宏之さん死去 エッセーでも活躍
2006年06月13日13時40分

 日本を代表する指揮者で、積極的な新作初演や執筆活動を通じてクラシック音楽のすそ野を広げたNHK交響楽団終身正指揮者、岩城宏之さんが13日未明、心不全で死去した。73歳だった。


 32年、東京都生まれ。東京音楽学校(現東京芸術大学)器楽科に在籍中、故山本直純さんとともに指揮の勉強に傾倒した。N響の副指揮者を経て56年に指揮者デビュー、60年には楽団と世界一周演奏旅行を達成した。
 チェコ国立放送交響楽団ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団といった世界的なオーケストラとも次々共演。77年には急病の巨匠ベルナルト・ハイティンクの代役で、日本人で初めてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した。
 指揮のほかにも打楽器奏者としての演奏活動、テレビやラジオへの出演、演奏会のプロデュースなど、晩年まで飛躍的に仕事の幅を広げ続けた。軽妙なエッセーの書き手としても知られ、91年「フィルハーモニーの風景」で日本エッセイストクラブ賞を受賞した。
 88年サントリー音楽賞、96年紫綬褒章、01年度日本芸術院賞、02年恩賜賞、05年度には朝日賞。

長い間ありがとうございました。どうぞ安らかに。合掌。