まるで台風一過

…みたいな騒ぎのようだった気がする。堀江社長逮捕の件だ。私自身はその日のテレビを全く見ていないのだが、どの局も特別番組を仕立て、大騒ぎだったらしい。
なんでテレビ局がここまで騒ぐのかというと、昨年ライブドアとフジテレビとの確執があったからだけだろう。それ以外に理由が考えられない。
今回の件で、ネットが既存マスコミ/旧来ジャーナリズムに取って代わられるのではないかという恐怖心を、いかに彼らが強く持っているのか、改めて見せられた気がする。ライブドア本体は投資会社であって、別にIT産業の会社ではないにもかかわらず、ITと全くの無関係というわけでもないので、イメージだけでもとにかく<IT>が地に落ちたところを、新聞やテレビを通じて一般に見せつけなければ気が納まらない、そういう既存メディアの薄黒い感情がどろどろ渦巻いていたように思う。
実際、新聞やテレビなど全く見なくとも、個人ブログをいくつか見て回る方が、よほど今回の「事件」の全容がすっきりわかるし、かつ捜査上の問題点も冷静に指摘されているんじゃなかろうか。新聞ったってどこも似たような記事だし、テレビはテレビで同じようなコメンテーターの同じような口調の同じような意見ばかりだし。それよりも、たとえ少々暴論であっても、独自の切り口とか面白い意見とか地道な事実検証が多く見受けられるのは、やはりインターネットの中である。このあと週刊誌/月刊誌が本格的な検証をやり始めたらどうかはわからないが、少なくとも初動段階ではネットの方が(いろんな意味で)レベルが上だと思った。
だもんで、この件、ネットの圧勝――としてしまいたいのだが、それでいいのかな。いいんだろうな。ネットを仮想敵に回した新聞/テレビは、敵に回してたつもりがいつのまにか自分の首を絞めてました、ってことにならないようにしてもらいたいものである。もうとっくに「その真っ最中」なのかもしれないんだが。
 
そういやテレビのニュース番組で、「ライブドア忘年会映像」が放映されていたな。その映像はもともとインターネット上で公開されていたもので、番組ではテロップでURLも表示されていたんだが、そうか、ひょっとして、あれが「放送と通信の融合」ってやつなのか。違うか。まあどっちでもいいや。