20世紀FOX阪「はやぶさ」観てきた

公式サイト→http://movies.foxjapan.com/hayabusa/index.html

昨日観たイオンシネマでは客席ガラガラ。小さめの上映室で朝一の一回だけの上映、ということですでにピークは過ぎているんだろう。

事実を基にしたドラマ、ということで過剰にお涙頂戴劇になってたらやだなあと思っていたが意外なほど淡々と進んでいた。ほとんどの登場人物に実在のモデルがいるが主役の女性だけは複数の人物のエピソードを合成したもの。そのせいかどうか、ストーリーとの絡め方にやや無理があるような気もした。



よくわからなかったのが一般の「はやぶさファン」の描かれ方。じいちゃんと孫、若いカップル(ラストでは赤ちゃんが生まれている)、よくわからんがたぶん宇宙マニア、の3組を定点観測よろしくトピックごとに登場させているんだが、あれ、どういう意味があったんだろう。

いや、現実に2ちゃんねるを中心としてネット界隈で大ブレイクした経緯があったのはよく覚えている。リエントリ前後の実況スレなんかすごいものだった。けれども、映画でこういう描き方をして、観客にどれほど伝わるんだろう。
とくにマニア君。いわゆる「キモヲタ」のステロタイプみたいな描かれ方で、ラストでは急にこざっぱりした格好になったな、と思ったら「明日はハローワーク行くぞ」と叫ばせている。あのムーブメントを知らない人がみたら唐突すぎて意味わかんないし(あるいはやっぱりネットのヲタクってキモイねえ、とこれまたステロタイプな感想を持つか)、知ってる人にとってもなんだかバカにされた気になるんじゃなかろうか。というか、自分は小バカにされたように感じた。
はやぶさ」がネットで盛り上がったとかどうとかは、あえてストーリーに盛り込まなくてもよかったと思う。一般の関心の高さはたとえば「ターゲットマーカーに八十八万人の名前」というエピソードもあったし、最後の相模原パブリックビューイングの熱気とかでもじゅうぶん伝わっていたはずだ。



全般的に、事実をなるべく多く拾い上げて、バランスよくまとめようとしている印象。フィクション部分の主人公の成長物語もさほど違和感はなかった。
先駆者というかブームの火付けにも一役買ったプラネタリウム映画「HAYABUSA Back to the Earth」(全天周映像でこそ真価を発揮する作品だ)あたりだとはやぶさへの擬人化が鼻についてしまい、監督の対象への思い入れの深さにちょっと引くところもあるんだけど、この作品の監督にはそこまでの深い思い入れはないだろう、適度に客観視しているので、安心して観ていられる。

あと2〜3本「はやぶさ」映画があるんだっけ。全部は観に行けないだろうとは思うが、どういう描かれ方になるのか比較してみる価値はあるかもしれない。今作とは逆に、笑えるくらいの大フィクションに仕立て上げるってのも観てみたいぞ。