今年最後の?

安永さんの新刊2冊と、集英社の新書「両さんと〜」ようやく購入。漫棚さんとこに書いた私のコメントは、もしかしてかなり外していたかも(恥)。まあ、あの作品を連載していた当時からずっと感じていたことでもあるので、個人的にはかなり「切実な」コメントを書いたつもりではあったのだけど。

「風景」の問題は、実際のところ非常に重要だと思う。それはなにも漫画に限らず、もう少し広げて「絵画」という芸術ジャンルまで考えてみても、その重要度に変わりはない。さらに言えば、文学やポップ・ミュージックにおいても、風景をどう受け止めるか、そしてどう描写するかというのは、表現者にとって(濃淡の差はあれど)非常に重要な問題だろう。もっと言うなら、「原風景」という言葉に象徴されるように、ひとりの人間としても、そのアイデンティティに関わる要素でもある。つまりは、人間の根本的な問題のひとつだと、いっていい。

自分の場合はどうか? 原風景、ではないのだろうが、夢の中にしょっちゅう出てくる風景というのは、ある。その夢を見るたび、ああまた同じ場面か、と、なんだか安心してしまうほどでもある。夢の中のその風景は、現実には一度も出会ったことのない風景であるにもかかわらず、私にとってはなんとも懐かしい風景でもあったりする。
心理学など全く知らないが、あの「風景」と、その中で動いている「自分」とは、いったい何者なのだろう。夢の中で、確かに私は「もうひとつの人生」を生きている(もっとも、そこでも淡々と普通の日常を生きているに過ぎないのだが)。
そしてそんな夢を見た朝は、目が覚めてもまだ、身体がふわふわと宙に浮いているのだ。