ハイエンド趣味

「写真文化を守ることが使命」富士写真フイルム社長
 〇…「フィルム市場の縮小は予想以上のスピードだった」と嘆くのは、富士写真フイルム古森重隆社長(66)。デジタルカメラの急激な普及に押され、フィルム市場はこのところ、年間2割強も縮小している。同社は5000人の従業員削減を含むフィルムなど写真関連事業の大幅な改革を余儀なくされた。
 〇…しかし、古森社長は「写真事業は続ける」と宣言する。改革が軌道に乗れば「市場規模に合わせて(同事業も)生き残りが可能」と予想。「写真文化を守ることが使命。愛好者がいる限り、フィルムを届けたい」と事業の堅持を誓っていた。
ZAKZAK 2006/02/09)

CDよりもアナログレコードの方が音が良いのと同じで、現状のデジタルカメラの画質は銀塩フィルムにどうしてもかなわない部分がある。とはいえ、高品位規格が結果的にマイナーになっていくのはこの世の常でもある。βデッキはVHSに負けたし。DVDとレーザーディスクじゃ、やっぱりLDの方がキレイでしょ。
日常的に使用するモノほど、使い勝手がよければ品質はさほど問わないものでもあるのだろう。そこにこだわるのは、通常、趣味の範疇になる。
 
いつかこういう日が来ることは、もう数年前から、誰もがわかっていたと思うが、こういう記事を読むと、あらためて銀塩写真はすっかり「ただの趣味」になったんだなあと思う。しかしながら、高級オーディオなどと同じく、この種の「ハイエンド趣味」はそう簡単に消滅することはないはずで、今後は熱心なマニアが細々と地道に支え続けることだろう。
なんでもそうかもしれないが、アマチュアってのは、クォリティが無駄に高いのである。