大学漫画

もやしもん』は某農大のバイオ研究室に蟠踞するマッドサイエンティストたちの青春群像である。
そのような学生生活のありようを今の若者たちの一部が肯定的に受け止めているとしたら、大学に希望はあると私は思う。
数年前に一世を風靡した『動物のお医者さん』も某大学獣医学部に君臨する非常識きわまるウルシバラ教授に振り回される若きサイエンティストたちの姿を描いたものだった。
のだめカンタービレ』も某音楽大学で社会的成熟度ゼロのシュトレーゼマン先生に振り回される若き音楽家たちの困惑と成長を描いたものだった。
意外なことに、この「大学淘汰」の時代、「大学の知的メルトダウン」の時代に、一部の若者たちは「わけのわかんない先生に振り回されて過ごした、いかなる経済合理性とも無縁な不思議な大学生活」をたいへん好意的に描いているのである。

ここに挙げられてる「大学漫画」はみんなファンタジーだと思うよ。ハリー・ポッターの魔法学校と同じ。日常取り囲まれてる世界が「経済合理性」一本槍だからね。せめてマンガ読むときぐらい、現実逃避したいじゃん。
とはいえ、ある程度は現実との接点というか「お役立ち性」がないとダメというか受けないわけで、どの「大学漫画」も一面では蘊蓄漫画の性格を有しているのはそゆこと。