つらつらと

アメリカにとくに思い入れがあるわけではない。ワシントンDCなどなおさらで、ホワイトハウスを見たいわけでもなければ、硫黄島銅像を眺めたいわけでもない。じゃあなんでここに来たのだと言われそうだ。実はわたしもよくわかっていない。どうせ旅行するならヨーロッパの方が好きなんだけど。
ふつうの観光客はニューヨークやサンフランシスコ、あるいはディズニーランドなどに行くのだろうか。ニューヨークにはちょっと触れてみたい気もするが(ここから電車でも行ける距離だ)、まあ今回はよしとこう。


思い入れなどない、と書きながらも、地図を眺めていると少しばかり心が騒ぐ。東へ向かえばニューヨーク、西へ行けばヴァージニアで、音楽や映画を通じてなじみのある地名がどんどん出てくる。
メトロ路線図を見ていると、レッドラインの終点にShady Groveという駅があるのに気がついた。おお、シェイディ・グローヴ。おもわずメロディを口ずさむ…が、あの歌とは関係がないだろうな。行ってもおそらくなにもないだろうし。

それより、DCといえばセルダム・シーンだ。かのモダン・ブルーグラス・バンドが70年代に出したライブ盤は、ここワシントンDCのセラー・ドアというライブハウスで録音された。場所もジョージタウンだ。
行ってみたいと思ったが、調べてみるとすでに存在していないようだ。たしかマイルス・ディヴィスもここでのライブ盤を出していたはずで、そこそこ名門の店だったと思うのだが。
セルダム・シーンのそのアルバムは長くわたしの愛聴盤だった。そのなかに「C&O Canal」という歌がある。ガイドブックを眺めていると、これもジョージタウンにあるようだ。運河を利用した運輸会社の名前で、今では観光スポットのひとつともなっているらしい。文学散歩じゃあないけれども、時間があったら風景をながめてこようかな。


そういえばまだCDショップに入っていない。めぼしいモノはあるのかなあ。バーンズアンドノーブル(本屋)は覗いたけれどもあまり欲しい本がなかった。ひとつだけ、「発禁処分を喰らった(?)カートゥーン」について書かれた本があって、これは買ってもいいかな。性表現や死をネタにしたものなど、アメリカのタブーがどのへんにあるのかを知ることができそうだ。


* * *


食べ物のせいか、運古が臭い。うーむ、もっと野菜を採らにゃあ。


都市圏はどこでもそうなのかもしれないが、スシ・バーが多く、いずれの店も盛況のようだ。話のタネに行ってみようかな。というか、カラダが醤油の香りを欲しているようにも感じる。