追記

忘れないうちに記しておく。


昨日の映画を観る前、シネコンで指定席を取ってから上映までに少し時間があったので、売店でパンフその他を買い求め、喫茶店でコーヒーを飲みながら時間を潰していた。
その時買ったものに映画のタイアップ本『ビジュアル版 はやぶさの大冒険』(マガジンハウス)があり、わたしはそれをぱらぱらめくりながらカフェオレを飲んでいた。
巻末に撮影監督阪本善尚氏のインタビューが載っている。いわく<デジタル映像であっても、「人がもっとも心地よいと感じるフィルムの色」=「記憶色」を目指した>。なんでも「かぎりなくフィルム映像に近く」とか語っているので、ほほうそれはそれは、とかなり期待して本編を観た。
感想は…事前にこんな情報仕入れるんじゃなかった。
今年に入ってから、自分史上最高レベルのペースで映画館に通っているが、こんなに「デジタル臭」を感じさせたのは今作が初めてだ。なんだあの乾燥しきったぱさぱさの画面は。フィルム映画でよく語られる「しっとり」のしの字もなかった。撮影監督が特にこだわったという人間の肌の色も、いかにもデジタル処理されたテクスチュアで、観るに耐えない。アニメ作品のスピルバーグ版タンタンの方がまだましというのはどういうことだ?(ま、あっちはもとからデジタルてんこもりと割り切って観ていたからかもしれないけど)
どんなに大画面であっても奥行きもディテールも感じられない画面には「説得力」を持たせられないのだなあ、と強く感じた。と同時に、日本映画大丈夫かとも。東映と言えば業界の大御所でしょ? しかもこの作品、東映60周年記念作品でしょ? さらにプロデューサーの方の50年目の節目だかの記念作なんでしょ? それでこういう仕上がりで満足してるの? フィルムの質感にこだわってたんじゃないの? それともわたしが観に行った劇場の映写機の状態がたまたま悪かっただけなの? どうなの??
こんなにデジタル臭が鼻についた映画は他に記憶にないだけに、余計に気になる。BDとかDVDになってしまって家庭のテレビで見るぶんにはおそらく気づきにくい事項だと思うので、これもまたファースト・インプレッションとして、いちおうメモっておく。このあと3月までにダンス映画を2本、映画館で観る予定だが、そのあたりも気をつけて観てみよう。というか、先週同じ劇場で観た『ストリートダンス』でももっとしっとりした画面という印象だったんだけどなあ…。