ブルーレイみた

FOX版と松竹版はやはり似た雰囲気があったなあと。ストーリー上いちおうヒーロー/ヒロインは設定してあるけど、それ以上に群像劇っていうか。東映版の、主役が熱く燃えるってのよりも、さまざまなひとたちがそれぞれの思いを込めて動いていくっていう方が、はやぶさには合っていると思った。FOX版の鹿児島の漁師たちとか、松竹版の臼田の観測員とか、本筋の中では脇役なんだけど、でもそれぞれに人生を抱えていてそれぞれに生きているんだな、と感じさせているところに共通点を感じた。それに比べると東映版はよくも悪くも主演の渡辺謙と以下ごく数人の「主役たち」のドラマに落とし込みすぎだったような気が。このあたりはストーリー作りの根本に関わってくることなので、結局は制作がわの体質の問題だと思うのだけれど、こうして見比べることによってそれがきちんと明確になっているのは興味深い。いやそれにしても、同じ題材で競作なんてめったに見られないことだし、いろいろ考えさせられる映画たちではありました。