追われる夢

数日前に、ひょんなことから10年前にタイムスリップした、という設定の夢を見た。どういうわけか警察か誰かに追われているらしくもある。ここんとこテロリスト逃亡犯のニュースがあったから、その影響なんだろうか。
10年前というと今とあまり変わらないので別に大したこともないんじゃないか、とも思うのだが、夢の中の自分はそうとう困っていた。
たとえば、お金。硬貨には年号が刻印されているので、平成20年の10円玉とか使えないわけだ。クレジットカードなんかはどうなるんだろう、有効期限とかの問題で、10年後のカードをいま使おうとするとエラーになるんだろうか、そう思うと怖くてカードを出せない。紙幣はどうだったかな、この10年の間にデザイン変更とかあったっけ。財布のなかからできるだけ古そうな札を探してみるがよくわからない。偽札使いだと通報されても困る。ということで買い物がろくにできない。
他にも、自分の持ち物で年号が明記されているものは隠さなければならない。どこかのショップのポイントカードだとか、タイムスリップ前にコンビニで買い物したときのレシートだとか、なんかいろいろヤバイ。捕まって持ち物検査されたら一発アウトだ。


何かに追われて切羽詰まってる夢というのは、まあリアルで仕事に追われてたり精神的にプレッシャー感じてたりすることの反映なんだろうけど、それにしてもなんで10年前だったんだろう。そんで、その状況で真っ先に「買い物ができない」ことに焦っている(というか夢の大半はそのことだけに終始していた)のって何。ま、パンすら買えないとなったら生命にかかわるしなあ。
ということで、「わずか」10年前であってもかなり困難だということを夢のなかで実感していた。これが2、3年前くらいならまだ余裕だったかもしれないが。そもそも10年前の日本ってのがもはやまったく記憶にない。今年が平成24年だから平成14年? このまえナンシー関が没後10年と知ったがそれで思い出すのは彼女の最後の原稿がサッカーを応援する人たちについての記事だったっけ、ということはワールドカップがあったか、でもどこの大会だったっけ? ドイツ? …他にどんな出来事があったか、ネットで検索でもしないかぎりまったく覚えてない。
まあ、実際にタイムスリップしてその時代の中に身を置いてしまえばいろいろ思い出すんだろうけど、「確かに生きていた時代」のはずなのにまったく記憶に残っていない、というのもなんだかぞっとする話ではある。まあ、かといってこれまで生きてきた全ての時間を忘れることができないというのもアタマがパンクしそうでいやだが。
夢の中での自分は、このままじゃ捕まるかくたばるかどっちが早いか、というあたりで目が覚めた。なのでオハナシとしては何も完結していない。わたしは同じ設定の夢を、期間をおいて何度も見ることがよくあるので、今回のタイムスリップネタもいつかまた見られるかもしれない。ま、何度見ても同じように右往左往してるだけで終わってしまうだろうけど。