日本選手権雑感

さすがに平日の試合はまともにチェックできなかったけど。
Ustreamで流してくれていたおかげで大まかなことは理解できました。ただただ感謝。
・そのユースト中継、実況していたアナウンサー諸氏と、解説のお二人は連日さぞ大変だったことだろうと思います。お疲れさまでした。
・女子決勝はNHK-BSで生放送(男子決勝は録画)。直前までUstream中継を見ていたのでそのギャップが(笑)。でも、後述するけど、画質とかって実はあんまり関係ないような気も。そりゃ高画質に越したことはないけど。
・試合結果はほぼ下馬評通り…なのかな。ソチ帰りで休み無しのまま大会が始まり、それも一日2試合×1週間という五輪以上のハードな日程。それでも決勝戦にコマを進めたのはもうさすがとしか。決勝戦はもはや内容とか結果とかではなく、ともかくファイナリストになったことで日本代表としての責は充分果たせたと思う。特にラウンドロビンの最後あたりは、かなり調子が悪そうだっただけに、そこから立ち直せたことが大きかった。
・男子の方はほとんどチェックしてなかったけど(なにせ1強過ぎる)、西日本代表のチーム岡山が帯広と闘った三位決定戦がかなり面白かった。同点のまま迎えた最終エンド、双方残り時間がどんどん減っていく中、スキップの投じたラストロックがどこで止まるかで勝負が決まるというゲームで、追いつ追われつの見応えある試合だった(とはいえUstreamでさえ女子の三位決定戦が早く終わったため急遽終盤の数エンドのみの実況なので、試合前半の流れはよくわからない)。結局、勝敗を分けたのはほんの数センチという紙一重の差。一方的展開で途中ギブアップとなった男子決勝戦より、テレビ的にはこういうゲームの方を中継したかったんじゃないかな。
・そのテレビ放送、NHKの技術班がレーンにリモコンカメラを仕込むなど新機軸の中継を目指していたらしいけど、放送を眺めていた限りではなんかよくわからなかった。むしろゲーム自体が淡々とした進行でドラマティックな局面があまりなかったのがなあ。Ustは粗い画面、ズームアップもなければハウス内のストーン状況もまるでわからないアングルという、およそ試合観戦には向かないカメラではあったんだけど、たとえば岡山vs帯広の3位決定戦のように、試合内容が面白いとそういうのはどうでも良くなります。むしろ見えない状況はこちらの想像力でどんどん補ってゆくという。たとえネット配信であろうともそりゃ映像は良いにこしたことはないんだけど、むしろアナや解説者の出来の方が、実況中継にはより重要だなあと改めて思ったり。
・上に挙げた帯広-岡山戦は時間との戦いにもなったが、全体を通してみると、上手い(強い)チームほど一つのプレイに時間をあまりかけてなかった。特に女子決勝戦なんかは、アナや解説者が口を挟む間もないほどどんどんゲームが進んでいった(ラウンドロビンから3位決定戦までを中継していたUstでは、アナと解説者が雑談でたびたび脱線する程度にはのんびりしていた)。同じ女子、たとえば3位決定戦の札幌国際大。なんでこんなに時間がかかるのと思うくらいに、一投するまでに時間がかかっていた。対戦相手のLS北見がどんどん難しいところに決めて常に先手を打っていたので、その対応に追われるのに精一杯だったんだろうか。さすがに世界のトッププレイヤーが集まるオリンピックなんかだと一投毎にみんなで相談なんてシーンは見なかったので、こういうのはやっぱ経験の差なんだろう。「相手がこう来たらその時はこう」みたいな定石というかルーティンというか、そういうボキャブラリーはある程度持っていないと余裕ある戦いができないだろうし、けれどもそういうボキャブラリーの蓄積というのは机上の学習というよりも実戦を重ねていくことによってはじめて自分の血肉となる類のスキルなのかもしれない。女子決勝を見ていると、相手がどんな難しい位置にストーンを置いても、瞬時に自分たちの次の一投のための動作に、チーム全員が移っている。その動きがあまりに自然で無駄がないものだから気付きにくいんだけど、どうやらそんなスマートな動きができること自体がトップ選手のトップ選手である証なんだろうか。

・今季、まだ世界選手権が残ってはいるけど、今回は男子のみ出場で女子は出場権なし。ということで、日本女子チームはオリンピックイヤーのシーズンがこれでひとまず終わり、次の4年を見据えて各チーム再編期に突入することになるはず。すでに有力選手の動向は今日のスポーツ新聞にもいろいろ書かれているみたいだけど、まあ、ひとまずはみなさんゆっくり疲れを癒してほしいものです。