響け!ユーフォニアム

最終話を終えて、思いついたことをごく走り書きに。この作品についてはしっかりと考察しておられるブログがいくつもあるので、わたしなんかが書くことなどなにもないんだけど、ま、とりあえず。



・「主人公の成長」というドラマ自体は第12話までで描ききっているので、13話はどっちかというとオマケというか特典映像的なものだろうと思っていた。演奏シーンをがっつり描いたのはそう考えると腑に落ちる。
・前半の緊張感の描き方が大会あるあるでかなり面白かった。ほんと、空気感とか実写映画なみのクオリティだなあ(同じ実写でもテレビドラマだとここまでピュアに描けない気がする)。
・放映開始前のやたら扇情的な予告絵やビッグバンドジャズが鳴り響いたPVって、今から思えばアレはなんだったんだろう。本編とイメージが違いすぎる。
・制作スタジオが自分たちのやりたいことをそのままやりきった意欲作であり実験的な作品であることはよくわかるんだけど、はたして深夜アニメの時間帯でやるべき内容/売り方なんだろうか。たとえば円盤1枚2話構成という割高な収録フォーマットもそうだし、あるいはキャラソンだの声優ラジオだのといった商品展開もそう。そういったいかにもな深夜アニメ商法は、実はこの作品の内容とは合ってないんじゃないか。このあたりはマーケッターの不在あるいはプロデューサーの力量不足を感じる。
・各キャラクターのグラフィックは(少なくとも静止画の範囲では)自分の好みではない。動きの繊細さはさすがだった。
・自分がこの作品を見る気になったのは動き(楽器演奏をどう見せるか)という点と、たまたま舞台が知っている土地だったからで、もし舞台が別の街だったらここまで熱心には見てなかったはず。まあ、京都府宇治市が舞台だからといって「宇治ならでは」が生きた箇所って数えるほどしかなかったけど。8話の夜のピクニックはその数少ない例外と言っていいだろう。
・モデルとなった学校の位置関係とか知ってると登場人物たちの通学経路はあきらかにおかしい(そもそも京阪宇治線よりJR線を使った方がいい人が多すぎ)のだけど、まあそこはあえてリアルから外してるんでしょうな(取材協力関係とかもあるし)。
・原作2巻以降のキーパーソンをさりげなく映すなど、続編を予感させるような思わせぶりなカットがいくつもあったけど、個人的にはここですっぱり終わらせていいと思う。
・もし続編をやるとすれば主人公を変えた方がいいかも。少なくとも1年生4人組をメインキャストに据え続けるのは無理があると思うんだが。この制作スタジオが先に触れたような「いわゆる深夜アニメ商法」から脱却できない限り、そのあたりはあまり期待できそうにない…のかも。