ムトゥ 踊るマハラジャ

1995年インド映画/K.S.ラヴィクマール監督作品

日本公開が1998年、ビデオソフト化がその翌年。わたしは劇場ではなくレーザーディスクで観たはず。1999年というと、えーと18年ほど前か。かつて持っていたディスクはけっこう早い時期に手放して、最近ブルーレイディスクになってると知っていそいそと購入し、すっげー久しぶりに観た。いやあ面白かった。
2時間半を超える大長編。ストーリーは映画なかほどまではけっこう覚えていたんだけど、終盤はほとんど初見に近いような感覚で、新鮮な気持ちで観た。ええっ、ムトゥの出生の秘密ってまさか…!!的な。

まあ、トンデモ・ファンタジー・ミュージカルっていう当初の印象にそれほど変わりはない。
当時としても「なんじゃこりゃあ」的な、悪く言えば「色モノ扱い」でのヒットだったと思うし、今になって見返してもやっぱり全編にわたって「ヘン」としか言いようのない独特のテイストを持った作品なんだけど、ぐいぐいと画面に引きずり込まれる引力が凄いので、まったく飽きさせない。
かつてはダンスの数々にびっくらこいた。今見てもやっぱすごい。力業の編集術もさりながら、やはり人海戦術と生身の身体でどうにかしてしまう現場力が生み出す迫力の凄みなんだろうな。スタントや特撮ももちろん多用しているとはいえ、イマドキのCG作品にはないドキュメンタリー感があって、そこがこの映画の最大の魅力なんだろう。
音楽はどのナンバーもいいなあ。そういや当時サントラCDも買っていて、そちらは今も部屋のどこかに残っているはず。明日にでも探してみようっと。