タイトルの怪

どなたも同じだと思うが、ネットがこれだけ日常的になると、あきらかに新聞購読していた頃よりもニュースに接する時間がはるかに長くなっている。当然、全てのネットニュースを読んで回ることは不可能なので、見出しだけで中身を読むかどうか決めざるをえなくなる。
しかし、たとえば、こういう見出しはどうなのか。
@nifty:NEWS@nifty:きみまろ「バ倒しても爆笑は不思議」(スポニチ)
スポニチ)だから、スポーツ紙に掲載された記事。しかも「きみまろ」だ。笑芸人綾小路きみまろのことだと思われる。ここまではいい。わからないのは「バ倒」だ。
クリックして本文を読むまでわからなかったのだが、これ「罵倒」なのね。ディスプレイでは「ハにてんてん」なのか「ハにまる」なのか読みにくいこともあって、「バ」が「パ」に見えた。スポーツ紙で「パ」というとそれはすなわちプロ野球パシフィック・リーグを指す。
「芸人が?パリーグを倒す?それで爆笑?」
もうすぐキャンプインとはいえ、野球はまだシーズンオフだから、てっきりパリーグのイベントにきみまろ氏が出演して、パリーグ応援しなきゃなんないのに「パリーグを倒すぜ」みたいなボケをして、観客の笑いを誘ったのかと思ったらぜんぜん違った。本文記事には野球のやの字も出てこない。
「罵倒」なら「罵倒」と表記しろよ、ったく国語審議会のバカヤロ、な話なのだが、ふと、そういえばはてなダイアリーや各種ブログで、よく新聞記事の見出しだけ引いて自分の意見を述べるブログが多いが(このブログも基本的にはそれ)、ネット上の記事って、サイトによってはすぐ消滅してしまう。つまり、あとから読者が本文を読もうと思ってリンクをクリックしても、リンク先が404だったりすることは非常に多いのだ。
なので、私はなるべく記事本文も引用しているのだが(著作権上訴えられたらやめますが、いまのところどこからも何も言われてないので)、逆に、見出しだけで本文を想像し捏造してしまうのは面白いかも、と思った。そういうネタブログ、すでにあるのかな。
赤瀬川源平だったか、本のタイトルだけで書評してしまうってのがあったが、あれのネットニュース版。うん、面白いかも。
どれだけ実際の記事から遠くへ行くことができるか、上手にボケられるか、あたりが芸の見せ所になるんだろうか。うーん、クソ真面目な私には、無理かもしれない(笑)。