拙速、なぜ?

延命中止判断は拙速、富山県警が病院の関係者聴取

 富山県射水(いみず)市の射水市民病院で、患者7人が延命措置の中止で死亡した問題で、富山県警は、発覚のきっかけになった男性(当時78歳)の入院3日後に外科部長(50)が人工呼吸器を外そうとした行為が拙速で特異なケースだったとみて、病院関係者から事情聴取を進めていることが27日、わかった。
 この男性のケースでは「家族の同意」の有無を巡り、病院側と家族側の間で食い違いが明らかになっており、県警は、外科部長が家族と十分な意思疎通がないまま延命措置を中止しようとした疑いがあるとみている。
 人工呼吸器を外すなどの延命治療の中止が許される要件として、91年4月に起きた「東海大安楽死事件」で横浜地裁は、〈1〉患者が治癒不可能な病気に侵され、回復の見込みがなく死が避けられない〈2〉治療の中止を求める患者の意思表示がある――などを挙げている。患者の意思表示がない場合は、その意思が推定できる家族の意思表示があればよいとしているが、その際、医師側にも、患者や家族との接触や意思疎通によって、患者自身の病気や治療方針に関する考えや、患者と家族の関係の密接さなどについて必要な情報を収集し、患者と家族をよく認識し、理解する的確な立場にあることが必要としている。
 こうしたことから、今回、外科部長が患者の入院3日後に延命措置中止を決めた判断に医療関係者からも疑問の声が出ている。
 外科部長を知る別の病院の医師は「外科医は患者の家族との長いつきあいの中で、信頼関係を築く。外科部長もそうした医師だ。しかし、この男性の場合、患者の家族との長いつきあいはなく、絶対に許されない」と話している。
 関係者によると、男性は昨年10月9日に自宅で、脳梗塞(こうそく)で倒れ、意識不明の状態で病院に運ばれた。担当医の外科部長が、外科病棟から内科病棟に移った男性の人工呼吸器を外すようにスタッフに指示したのは、入院から3日後の同12日だった。こうした経緯は、問題発覚4日後に病院から関係資料の提出を受けた県警も把握している。
 県警は、男性に対する外科部長の判断が、果たして延命措置の中止と言えるのかどうかという点を重視。家族は外科部長から「人工呼吸器を外すことは、一切聞いていない」と話していることから、延命措置の中止によって死亡した7人に加え、この男性のケースについても、外科部長から事情を聞くなどして捜査を進めている。(2006年3月27日14時40分 読売新聞)

この事件、当初の報道から病院側の言い分が徐々に変わってないか?なんだかなあ。