ミスミス

「x」ない方程式など、中学教科書に誤記208か所
 今年4月から中学校で使用されている9教科、134冊の教科書のうち、65冊に計208か所もの記述ミスがあったことが9日、文部科学省の緊急調査で分かった。
 今年1月、2004年度から高校で使われている「政治・経済」の教科書のグラフに記載ミスが見つかり、今春の大学入試センター試験で教科書通りに解答すると不正解になるという事態を招いたため、文科省が3月、各教科書会社に点検を指示していた。
 これだけ多くの記述ミスが一度に発覚するのは極めて異例。各社は今後、間違いのあった教科書を使用している中学校にミスを通知し、記述の修正などを求める。
 緊急調査は、教科書会社52社に要請して実施。今年4月から使用されている中学校用教科書の発行会社16社に対し、記述内容の再点検を求めたほか、各社の編集・校正体制について尋ね、計51社が回答した。
 それによると、記述ミスはすべての教科に見つかった。例えば、英語の「something」のスペルに「h」がなかったり、数学の2次方程式の「x」が抜け落ちていたりといった誤記や脱字が多かった。保健体育では、今春に発覚した高校用教科書のケースと同様、グラフの記述ミスも見つかった。
 最もミスが多かったのは国語で、全体の約4分の1にあたる56か所を占めた。「ひらがな」を「ひらなが」と誤ったり、「目の前」の「目」に「ま」とふりがな表記したりした事例があった。
 こうした記述ミスは文科省教科書検定でも見逃されており、文科省教科書課は「非常に残念な結果。今後は間違いゼロを目指し、教科書会社に正確な記述の徹底を求めるとともに、教科書検定にも万全を期したい」と話している。
 一度に大量の記述ミスが見つかった今回の結果を受け、文科省は来年度以降、調査を毎年実施する方針を明らかにしている。(2006年5月10日3時11分 読売新聞)

自販機・ATMダメの千円札…約4万枚流通、回収せず
 独立行政法人国立印刷局は9日、昨年9〜10月に、東京・北区の滝野川工場で印刷した千円札3万9500枚に印刷ミスがあり、一部の自動販売機や現金自動預け払い機(ATM)で使用できない不具合が見つかったと発表した。
 外見は通常の千円札と同じだが、印刷ミスが原因で、目に見えない部分に通常の札と異なる点があるという。具体的なミスの内容や原因については、「偽造防止にかかわる」として明らかにしていない。
 問題の紙幣は今年1〜2月に日本銀行に納入され、ほぼすべて流通しているとみられる。ただ、日銀は「一部自販機で使用できない以外は外見、手触りを含めて品質上の問題はなく、有効な銀行券だ」としており、回収はしない。ただ、日銀の本支店での交換には応じる。
 同日、都内で会見した国立印刷局の木村実理事は、問題の紙幣が「欠陥品」であることを認め「国民の皆様、日銀に迷惑をかけ、深くおわび申し上げます」と陳謝した。今後、国家公務員法に基づき、関係者の処分を検討する。
 国立印刷局によると、印刷機の不具合と作業上の問題が重なり印刷ミスが生じ、完成後の点検でも把握できなかった。4月下旬、ATMのメーカーが業界団体を通じて、「ATMで読み取れない千円札が50枚程度ある」と国立印刷局に連絡したことから発覚した。(2006年5月10日1時35分 読売新聞)

国家の基幹である経済(紙幣)と教育(教科書)に相次ぎミス発見とか。
これはもうダメかもわからんね。
…と冗談はさておき、千円札の方はよくわからないが、教科書の校正ミスは端的に人件費カットの帰結なんだろうなという気がする。あるいは、有能な校正マンがそろそろ定年退職を迎える頃なんだろうか。でもって後継者が育っていない、と。だとすると、これも2007年問題のひとつってことなのかな。
これからはあちこちでこの種のガタガタが頻出するんだろうな。タガが外れてガタガタ、で、気が付いたら海の底に沈んでいる…と。あはは。