インドのミュージカル映画

…と言うと、十年くらい前?に日本でもヒットした「ムトゥ 踊るマハラジャ」くらいしか観たことがないんだけど。
職場から歩いて行ける距離のところにインド人がやってる料理屋があって、ランチを食べにたまに行くのだけど、この手のインド映画のビデオがエンドレスで流れている。よくわからないのだが、いろんな映画のなかから歌って踊るシーンだけを集めたビデオっぽい。どうやらインド製のビデオソフトのようだ。あるいは現地のテレビ放映からの録画かもしれない。
注文したカレーセットが来るまでのあいだ、他にすることもないのでその画面をぼんやり眺めている。インド映画のミュージカルシーンはとにかく物量作戦で、ヒーロー/ヒロインの背景にムダに大勢の群舞、何度もテイクを重ねていいとこ取りしてるような細かなカット割り、それと炎天下の野外ロケが基本と、まあいまどきこんなに壮大なコトやってるのはインド映画くらいじゃないか、と思うくらい豪快に馬鹿馬鹿しいので好きだ。体力勝負!てな感じが実にいい。
たいていの場合、音楽もダンスももろにアメリカンで、今日流れていたのは古いロケンロール、監獄ロックとかそういった類の音楽を使っていた。ダンサーはみなインド人だろうけどノリやなんかはまるきり往年のディスコ調。音楽もふつうにロケンロールだけど、インド人歌手が歌う曲だけ、そこだけはどうしても「インド音楽」になってしまうところが面白かった。専門的なコトはよくわからないんだけど、細かなビブラートというか、コブシを回すというか、そういうクセみたいなものがどうしたって出てくるのだ。
身体表現として、ひょっとするとダンスよりもうたの方がクセが残りやすいのかな。と考えたが、いや、ただこの方が観客ウケがいいからだろう、とも思い直す。本当のところはよくわからない。


それにしても、インドのミュージカル映画はちっともミュージカルぽくないのが面白い。レビューというのも違うし、なんだろう。むしろオペラぽいのかもしれない。